つりがね草チョーク描文筥
つりがね草はベルのような花の形におもしろさを感じます。私自身が自然豊かな長野県に生まれ育ったということもありますが、素朴で心ひかれる山野草に出会うと「描いてみたいナ」と思わせてくれます。
ふっくらとした花の形に愛嬌を感じながら、スケッチでそのラインを追っていきます。茎は上へ上へと伸びながら、花はどこか慎ましくうつむいて、1本の茎にいくつか寄り添うように咲いている姿に趣を感じます。
「箱」は、開ける楽しみもありますが、どっしりとした重厚感や直線的な造形から静の印象が私はあります。そこに、風にゆれるつりがね草と蝶々とのなごやかな対話を描きました。植物を作品に描くときにいつも心掛けるのは、単なる模様ではなく、そこに生きているものへの慈しみや命そのものの存在を汲み取りたいということ。
陶芸の原料でチョーク状のものを、自分で研究して、創作しています。
つりがね草チョーク描文筥
Box with bell flower design in chalk drawing
17.0 × 41.5 × 15.0